200年住宅

  • 長崎の平野啓子
  • 2008/9/08 11:50:01

200年住宅の講習会へ行きました。

 200年住宅ビジョンが発表された背景は、私たちの寿命が延びたことで、住宅の長寿命化が必要となり、住み替えの場合にも、価値ある資産として適正な評価を得ることが必要であること。また、地球環境保全のためにも、これまでのように新築後25年から30年間で取り壊すということでなく、住宅を長く大切に使うことで、限られた資源の有効活用を行うなど、ストック型社会への転換が急がれているということです。

 こうした200年住宅促進のために、「超長期耐久性技術の確立」「維持・管理体制の確立」「流通システムの確立」が3本柱とされています①構造躯体(スケルトン)の耐久性や耐震性、内装・設備というインフィル部分の可変性の確保 ②維持管理が容易③省エネ・バリアフリーの確保 ④点検・補修・交換などの計画的な維持管理 ⑤周辺まちなみと調和 5項目が、超長期にわたって循環利用できる質の高い住宅の要素と言われ、あわせて、土地価格のみが重視され、建物部分の評価が「築年数」で大きく下がっていく日本の住宅評価と金融機関の担保評価の大幅な見直しも求められ、こうしたことによって先述の3本柱が実現するようです。

しかし、機械文明に慣れ、化学製品に囲まれた日々の暮らしの中で、24時間換気の例のように、高気密・高断熱を謳い重装備した密閉した空間をつくっておきながら、室内空気汚染による体調不良が生じると、24時間室内の空気を換気するという、さらに装備を加える愚行とも思えることを恥らうことなく建築基準法で規定するお国柄です。

200年住宅の理念はすばらしいと思いますが、理念の実現・普及に際してのスタンスをみると、日本の住宅の歴史や伝統に基づく実績に関しての配慮と評価が欠落していると思います。制度が一人歩きをし、「換気」のケースと同じような失政の上塗りにしてはならないと痛感します。日本古来の住宅は、自然と共棲し、適度に手を入れていくことで、長くわたしたちの暮らしに寄り添ってきたはずです。

当社で改修工事を行った築70年を超える木造住宅などは、いいものをつくって、きちんと手入れをして、長く大切に使うという、先人達による実践事例といえます。伝統技術の継承や地域風土に合った暮らし方に目を向けていない諸施策は、本当に私たちのためのものでしょうか。疑問です。そんな思いを抱きながら参加した講習会でした。

 

■当社施工の事例紹介1

 

 屋根下地工事中

          

          玄関床下地補強

 

          屋根完了後の小屋裏          

 

屋根完了        

 築71年の住宅が、屋根の葺き替えと床下の補強工事でさらに寿命が延びました。

 ■当社施工の事例紹介2

 改修前の台所    改修前の食堂   改修前の浴室

 

 

内部を撤去してスケルトン状態に    

  

改修後の台所     改修後の食堂  改修後の浴室          

          

高齢期に向かって、終の棲家としてマンションをリフォームし、バリアフリーと収納の充実を目的として行った改修工事で、住まいの寿命が延びました。


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