昭和9年9月、西日本に大きな被害をもたらした室戸台風によって京都・建仁寺の方丈(住職などの住まい。簡素な作りであった)は倒壊した。

室町時代に広島の安国寺に作られたその方丈は桃山時代に安国寺恵瓊によって京都建仁寺に移設された。
そのとき全50面の襖には海北友松(かいほうゆうしょう)による水墨画が描かれていた。

そしてそれから333年後、室戸台風が襲ってきたとき、たまたまその襖は法要のためにはずされており難を逃れた。
方丈がなくなり本来の行き場を失った襖絵は、京都国立博物館に寄贈された際に掛け軸として保存されることになった・・・。


精密機械のキャノンさんが行っている「綴プロジェクト」のひとつが、海北友松の水墨画を現在修復中の方丈の襖に戻そうという試み。

もちろんキャノンさんのプロジェクトですから、「コピー」です。
しかしただのコピーじゃない、「高精細複製品」なのです。
こちらのムービーを見るとその「高精細」度が伝わってきます。

室戸台風から78年、本来あるべき場所にあるべき姿で戻ってくる襖絵。
「所詮、コピーじゃん」という言葉では片付けられないものを感じます。


いつか京都に行けたら、建仁寺方丈の50面の襖絵として再生した海北友松に出会ってみたいなあ。
それがコピーであるとしても、そこに歴史があり、また本物に近づけようとした情熱は感じられるはずですから。



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