イミテーション・ゲーム/本編

  • area51
  • 2015/5/20 01:47:00

『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』

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第二次世界大戦時、ドイツ軍が誇った世界最強の暗号<エニグマ>。 世界の運命は、解読不可能と言われた暗号解読に挑んだ、一人の天才数学者アラン・チューリングに託された。 英国政府が50年間隠し続けた、一人の天才の真実の物語。時代に翻弄された男の秘密と数奇な人生とは――?!(TOHOシネマズ

「もうすぐ終了」告知が出てたので慌てて観に行きました。
このチラシにもあるように「今年のベスト映画のひとつ」だと思いました。
(「今年の」といっても、すでに去年のことだと思いますが)

実在の天才数学者アラン・チューリング(1912-1954)のことが多くの人に知られていないのは、彼が第二次大戦の対ナチスドイツ戦において成し遂げたことや、それを利用してイギリスが行なった戦略行為が50年間も国家機密とされていたから。

エニグマとはドイツが使用していた暗号機で、その設定の可能性の数は159,000,000,000,000,000,000通り。全設定を試すには10人が毎日24時間働き続けて2,000万年かかるという当時世界最高の暗号なのです。しかもドイツは毎晩0時に設定を変えたので、午前6時の最初の暗号を傍受したとしても、それから18時間以内に解読しなければ何の意味もないという絶望的な状態なのです。
英国政府は国中の天才数学者たちを集め、解読のためのチームを作ります。その一人がアランだったのですが、法則や手順を頭脳と手計算で進めようとする他のメンバーとは異なり、アランはエニグマという機械に対抗できるのは新しい解読のための機械しかないと、最初から自動計算機の設計に没頭、元来社交的でないアランは次第にチームの中で孤立して行くのです。

それでもアランは「エニグマを解読し、ドイツに勝利し、戦争を終わらせる」という強烈な使命感を捨てず、時の首相チャーチルに手紙を送り、自分をチームのリーダーにすること、自動計算機の完成のために多額の資金を提供することを請願します。

ほぼ実話なのだそうですが、このあたりのアランの猛進が天才と凡人の違いを顕著に現すのですね。それを受け入れたチャーチルもまた政治家として天才だったのでしょう。

さて、アランのパートナーとなるもう一人の天才ジョーン・クラーク(もちろん彼女も実在の人)との出会いにより、アランは人間らしさを得てゆくのですが、なぜ彼は人と上手く混じれないのかという理由が、時代を遡って映画は描き出していきます。

アランの圧倒的な孤独感の根源。

主演ベネディクト・カンバーバッチの演技がとてつもなく素晴らしい・・・。
うまく人と混じれないもどかしさ、天才ゆえの傲慢さ、叶わない愛に絶望する姿、理解されない孤独と諦念の無念さが清冽なその目に表れて、観る者の胸を打ちます。
ジョーン・クラーク役のキーラ・ナイトレイもまたいい。綺麗だけどストイックな役が特にハマる人だけれど今回はそれに加えて、内面の包容力がその表情にある。アランに勇気を与え、奮い立たせる微笑、目の輝き。なにより大事なことは、アランの孤独を「理解」していること。それら全てをキーラ・ナイトレイは軽やかに演じて、とても素敵です。

アランが作った自動暗号解読計算機は「クリストファー」と名付けられます。それはアランにとって唯一の友の名・・・。

ストーリー、映像、演技、編集のどれも素晴らしい。
それにより、41歳の悲劇的な人生を終えてしまったアラン・チューリングに新たな栄光が与えられています。
現在、「コンピューター」と呼ばれる機械の礎を創りだした天才として。

 

膨大な数のドラムが、解読を終えた瞬間にガツンと停止するシーンに鳥肌が立ちました。

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