公開終了ぎりぎりで観に行けました!
『ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやって来る』

2013年にRCOが行った世界50公演のドキュメント映画です。
映画で流れる楽曲は以下の通り。もちろん部分的に流れます。これを全曲流してたら20時間くらいの映画になる( ;∀;)

ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(RCO)演奏マリス・ヤンソンス指揮

アントン・ブルックナー作曲:交響曲第7番
ピョートル・チャイコフスキー作曲:交響曲第5番
ヨハン・ワーヘナール作曲:序曲「じゃじゃ馬ならし」
セルゲイ・ラフマニノフ作曲:パガニーニの主題による狂詩曲(ピアノ:デニス・マツーエフ)
グスタフ・マーラー作曲:交響曲第1番「巨人」
イーゴリ・ストラヴィンスキー作曲:バレエ組曲「火の鳥」
ジュゼッペ・ヴェルディ作曲:レクイエム(ソプラノ:アガ・ミコライ、メゾソプラノ:オレーシャ・ペトロワ、テノール:ディミトリ・ピッタス、バス:ユーリ・ヴォロビエフ)
ドミトリー・ショスタコーヴィチ作曲:交響曲第10番
グスタフ・マーラー作曲:交響曲第8番「千人の交響曲」
グスタフ・マーラー作曲:交響曲第2番「復活」(ソプラノ:ヴェロニカ・ディジョーエヴァ、アルト:アンナ・ラーソン)

アントニオ・パッパーノ指揮

ピーテル・グーマンス作曲:アムステルダムの運河に寄せて(テノール:ジョセフ・カレヤ)

シャルル・デュトワ指揮

ヨハネス・ブラームス作曲:交響曲第1番
ピョートル・チャイコフスキー作曲:ヴァイオリン協奏曲(ヴァイオリン:ジャニーヌ・ヤンセン)

アイナルス・ルビキス指揮

ヨハン・シュトラウス(父)作曲:ラデツキー行進曲
セルゲイ・プロコフィエフ作曲:ピーターと狼

RCO団員による演奏曲

J.S.バッハ作曲:マタイ受難曲BWV244~アリア「愛によりわが救い主は死に給わんとす」
J.S.バッハ作曲:ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲BWV1060R

その他の楽曲

アンヘル・ビジョルド作曲:エル・チョクロ
Uche Agu作曲:My God Is Good



仕事上のお付き合いのある方と話すときに「趣味は合唱です」とか、つい言ってしまうと、「ほーっ、高尚な趣味ですね~」なんて言われてしまうことが多々あります。

そんなことはない。

ロックも聴くし、きゃりーぱみゅぱみゅだって好きですよ。カラオケは行かないけど、歌うジャンルが合唱曲というだけ。
クラシック音楽が特別な音楽なわけじゃなくてクラシックを聴くことで安らぎを得ることができる人がいるだけ。
この映画は音楽が演奏家にとって大事なものであるのと同じくらいに聴く人にとっても大事なものであることを静かに力強く描いてくれています。

たとえば、ブエノスアイレスのクラシック好きなタクシー運転手。
日々の暮らしの中ではそのことをタクシー仲間に言わない。なんとなく言いづらい。これ、わかる気がする。恥ずかしいわけではなく、見下すわけでもないが、言っちゃうと「へえ~、高尚だねえ」みたいな空気になるんだよね。
RCOコンサートはそんな彼を日常から解放させてくれる至福の時間となるのです。
たとえば、南アフリカにいまだにレイプや誘拐に怯えながら、音楽を未来への希望の拠りどころにしている少年少女たち。
たとえば、黒人が楽器のレッスンも受けることができなかった時代を乗り越えて、子供たちに楽器を教える老人。彼や子供たちを招いたRCOのコンサートでは、やっと楽器を始めたばかりの子供たちが目を輝かせ、耳を澄まし、笑っている。
楽器の種類や指揮者の役割を団員が説明する場面は心憎いばかりの演出で、会場も大爆笑!
そう、指揮者の棒はハリー・ポッターの魔法の杖なのです。
たとえば、スターリン政権下のソヴィエトで強制収容所に収監され、亡命の末ロシアに戻った老人はマーラーの音楽の中に人生の非情さと命の尊さを見出し、RCOのロシア公演でのマーラー「復活」に涙するのです。
(僕もヴェルディのレクイエムLacrimosaのシーンでは泣きそうになりました)

音楽をどう聴くのかはまさに人それぞれであって、その演奏の価値は批評家や評論家や審査員が与えるものではなく、その場に遭遇した人の胸の中にあっていい。演奏家と聴衆が巡り合った同じ劇場の空間に「音楽」は生まれ、消えてゆく。しかし、何ものにも代えがたい濃密な時間。
今後生のオーケストラやさまざまなステージを聴く機会があったとき、僕はその共有する時間をしっかりと噛みしめていようと思ったのでした。
願わくば、その演奏が心地良い上質なものであるならば尚嬉しく噛みしめられるなあ、とも思います(*^_^*)
 

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